契約の婚約者
「あっ!じゃぁ、取り合えず、上がってくださいっ」


「あんたの家じゃないだろ!?」


「沙希、いいから~!お酒もいっぱいあるし~」


「あんたの酒じゃない!」


「ほら、片桐さんも……」


「帰る、よね?」


低く沙希の声が響く。


流石の酔っ払いもその声にビクンとなる。


片桐がニヤリと笑い、沙希を見据える。


これはあまりいい予感がしない。


「じゃあ、広瀬さんのお言葉に甘えて、一杯だけ付き合おうかな?」


「帰れっ!!」


「もう、沙希ったら~どうぞ、上がってください~」


もう、最悪だ……と沙希は天を仰いだ。



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