光輝
柱にでもぶつかったかと前をみると、痛そうに鼻を押さえている少年がいた
背は私より低くて、歳は私と近い、十くらいだろう
少年に、私はじぃっと見つめられた
もしかしてこいつ、私が見えるのか?
勝太や土方は助けるでもなく、横から此方を見物していた
土方に限っては、面白そうに笑いを押さえていた
本当に、腹立たしい奴
ふと、土方から視線をそらし少年を見ると、もう鼻は押さえておらず、面白そうに私をみていた
「ねぇ、君名前は?」
あろうことか、少年は私に名前を聞いてきた
やっぱり見れてるんだ。これで三人目だ
私は、可愛くないことに仏頂面に腕を組んだ
そして、亡霊らしく怖い感じで、なるべく低い声をだした
「私は、この試衛館に住み着く亡霊、鈴」
うらめしやぁ
とか言いたい所だが、それは見事に少年に遮られた
「へえ〜。この世に、こんなに怖くない亡霊が存在するなんて思いもしなかったよ」
そして、あろうことか少年は、私の鼻をつまんだ
「んぐ!!…だに゛ずるの゛よ!!」
「触れるし」
その光景をみて、笑いを噛み殺している土方を思いっきり睨み付けた
そして、少年は私の鼻からてを退かすと、むかつくくらい可愛い笑顔をみせた
「今日から、試衛館の門下生になった、沖田惣次郎。よろしくね、鈴檎(りんご)」
それだけ言うと、少年───惣次郎は、道場へときえた