光輝
「ならいいじゃん、ちょっとくらい」
ちょっとくらいって……
「まあ、今日は総に助けられたし……ちょっとだけだからね」
私は、向きを変えて、総司と向き合うようにした
総司も胡座を解いて、足を極力伸ばしていた
そして、私は暗いのを良いことに、総司に前から抱きつくようにもたれ掛かった
「ちょっとだけだから……」
そう、寝るのには一番この体勢が適している
私は、押し寄せる睡魔にえんりょなく目を閉じた──……
「ん?鈴檎……って、寝てるの?」
総司の問いかけに、帰ってきたのは静かな寝息だけ
寝ている鈴の体に、そっと、総司は腕を回した
「こんな格好でねちゃうなんて、ずるいな…」
そう言って、総司は鈴の頭を優しく撫でた
「本当ずるいよ、鈴檎は……俺の気持ちなんて、ちっとも分かってないくせに」
総司の呟きは、押し入れに消えていった──……