アジアン・プリンス
「……?」

「まずは褒めさせてくれないか? 金色の髪とドレスの光沢が重なって、よく似合っている。女神のようだ」


情熱的な言葉に反して、レイの声は冷めていた。

ティナは何と答えたらいいのかわからない。


「それに……深い色のエメラルドが、緑掛かったヘーゼルの瞳を際立たせているよ」

「どうもありがとう。あなたが選んでくれたんでしょう? NYで。でも私に値札はついていないし、値札つきのアクセサリーにも興味はないわ」

「どういう意味だ?」

「そのバングルよ」

「これは、君が自分で外して返したと聞いている」

「あなたが……」


カッとなったティナが言い返そうとしたとき、


「失礼いたします。殿下――」


レイの携帯電話を手に、補佐官のサトウが後ろから声をかけた。


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