アジアン・プリンス
実は、チカコに対する飴は2個用意されていたのだが……。
彼女はそのひとつで充分に喜んだ。称号を受け入れ、レイの即位を支持したのである。
無論、レイも手放しで与えた訳ではない。
これにより、チカコは準公人扱いとなり……身分が保障されると同時に、様々な行動も制限された。許可なく国外には出られず、会話や手紙も管理される。テロの標的になった経緯も考慮され、警護も厳重になった。
彼女の自由は大幅に制限されたが、1度は締め出された王宮内を自由に闊歩できることが愉快らしく、ティナと会っても牙を剥いてくることはなくなった。
そして5月半ば、王宮の礼拝堂でミサキはマシューと式を挙げ、彼女は正式にアズウォルド国民となったのである。
『ありがとう、ティナ。それと、レイ殿下……本当に色々ごめんなさい。ああ、でも、こうなってお互いに良かったのよね』
ミサキはティナを姉のように慕い、結果、レイとふたりで結婚式の付添い人をすることになったのだ。
これにより国民は『ああ、ふたりの婚約は本当に形だけだったのね』と納得したのであった。
彼女はそのひとつで充分に喜んだ。称号を受け入れ、レイの即位を支持したのである。
無論、レイも手放しで与えた訳ではない。
これにより、チカコは準公人扱いとなり……身分が保障されると同時に、様々な行動も制限された。許可なく国外には出られず、会話や手紙も管理される。テロの標的になった経緯も考慮され、警護も厳重になった。
彼女の自由は大幅に制限されたが、1度は締め出された王宮内を自由に闊歩できることが愉快らしく、ティナと会っても牙を剥いてくることはなくなった。
そして5月半ば、王宮の礼拝堂でミサキはマシューと式を挙げ、彼女は正式にアズウォルド国民となったのである。
『ありがとう、ティナ。それと、レイ殿下……本当に色々ごめんなさい。ああ、でも、こうなってお互いに良かったのよね』
ミサキはティナを姉のように慕い、結果、レイとふたりで結婚式の付添い人をすることになったのだ。
これにより国民は『ああ、ふたりの婚約は本当に形だけだったのね』と納得したのであった。