アジアン・プリンス
レイの変えた王室法――大きな変更箇所はふたつである。


ひとつは、嫡子と庶子の身分差を廃止すること。

ふたつ目は、王位継承資格から性差を廃止すること。


『子供は平等に祝福されるべきだ。親の立場により差があってはならない』


レイは議会にそう進言し、王室法改正案が即日可決された。

これにより、庶子で民間人の扱いであったソーヤとスタンライト外務大臣は、ソーヤ王子、リューク王子となった。ともに王族男子として王位継承権を得る。

それはチカコに用意された2個目の飴。彼女のもうひとりの息子は王子となり、今現在、王位継承権第1位の資格を得たのだ。


そして、王女にも継承権が与えられた。

ただ、『やはり男子のほうが……』という声が議会から多く聞かれ……直系及び男子優先となり議決。

これはデンマーク・スペイン・英国と同じ王位継承制度である。そして強制ではなく、望まない者には拒否する権利も与えられたのだった。


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