アジアン・プリンス
(4)招かれざる客
「王后陛下、風が出て参りました。船内にお入り下さいませ」
侍女に声を掛けられ、ティナはデッキから船内に入る。
王国の旗が潮風になびく……王室の船に乗り、ティナはアジュール島に向かっていた。
昨夜、下着姿で迫るティナをレイは優しく諭した。
自身の体をバスローブで隠したあとベッドに戻り、レイは掛け布でティナを包み込み、抱きしめたのだ。
「少し落ち着きなさい、ティナ」
「どうして抱いてくれないの。ねぇ、私が抱きたくないの!?」
「抱きたいに決まっている。だが、そんな決死の形相で夫の胸に飛び込むものではない」
「私は……」
レイはティナの唇に指を立て、首を左右に振った。
「何かよくない噂を聞いたのだろう? 詳しくは話さなくていい。だが、これだけは信じて欲しい。私は君を愛している。この言葉を口にしたのは君が初めての女性だ。そして、最後の女性でもある」
そのまま、レイは横になった。ティナは彼の腕の中にスッポリ包み込まれている。
そして、耳元で穏やかなレイの声が響き……。
侍女に声を掛けられ、ティナはデッキから船内に入る。
王国の旗が潮風になびく……王室の船に乗り、ティナはアジュール島に向かっていた。
昨夜、下着姿で迫るティナをレイは優しく諭した。
自身の体をバスローブで隠したあとベッドに戻り、レイは掛け布でティナを包み込み、抱きしめたのだ。
「少し落ち着きなさい、ティナ」
「どうして抱いてくれないの。ねぇ、私が抱きたくないの!?」
「抱きたいに決まっている。だが、そんな決死の形相で夫の胸に飛び込むものではない」
「私は……」
レイはティナの唇に指を立て、首を左右に振った。
「何かよくない噂を聞いたのだろう? 詳しくは話さなくていい。だが、これだけは信じて欲しい。私は君を愛している。この言葉を口にしたのは君が初めての女性だ。そして、最後の女性でもある」
そのまま、レイは横になった。ティナは彼の腕の中にスッポリ包み込まれている。
そして、耳元で穏やかなレイの声が響き……。