アジアン・プリンス
12年前、アズウォルドはテロで揺れ、王宮の建て直しもできぬほど貧困にあえいでいた。
国王に即位したシン王子は重傷でベッドから起き上がることもできず。国家の命運は、わずか18歳のレイの手に委ねられた。
そしてテロ事件から3ヶ月後、父である当時のスタンライト外務大臣を通じて、エリザベスはとんでもないことを言い出したのだ。
彼女は妊娠5ヶ月で、子供の父親は新国王に即位したシン王子だ、と。
お腹の子供が男子と判明し、エリザベスは摂政であるレイに、王妃のティアラを要求する。
レイは驚き、すぐさま療養中の兄に確認したのだった。
「兄はエリザベスとの関係を認めた。それも結婚前から、数年に渡り愛人関係を続けてきた、と。しかも、お前の好きにしてくれ、と兄は私に丸投げだった。――内外に問題は山積みで、どうして私ばかり……。あのときほど、すべてを捨てて国を出ようかと思ったことはない」
自嘲気味に微笑むレイがあまりにも悲しそうで、
「ああ……レイ。ごめんなさい……本当にごめんなさい」
ティナは思わずレイに抱きつき、彼の背中を擦っていた。レイの手も優しくティナの体に触れる。
「羊水を抜き取り、親子鑑定をした。そして、王立科学研究所は兄と胎児に『親子関係はない』という結果を出した。だが、彼女が兄の愛人であったことは事実だ」
レイは可能な限りの金額を用意し、彼女をアメリカの資産家に嫁がせた。
だが、成長するうちにアーロンにはアズル王族男子の特徴が色濃く現れ、彼女はもうひとつの可能性に気づく。
だがそれは、これまでの王室法ではあまり意味がないものだった。
「王室法が改正され、彼女は再びDNA鑑定を要求してきた。エリザベスはアーロンの父親として、違う人間の名前を上げたんだ……」
国王に即位したシン王子は重傷でベッドから起き上がることもできず。国家の命運は、わずか18歳のレイの手に委ねられた。
そしてテロ事件から3ヶ月後、父である当時のスタンライト外務大臣を通じて、エリザベスはとんでもないことを言い出したのだ。
彼女は妊娠5ヶ月で、子供の父親は新国王に即位したシン王子だ、と。
お腹の子供が男子と判明し、エリザベスは摂政であるレイに、王妃のティアラを要求する。
レイは驚き、すぐさま療養中の兄に確認したのだった。
「兄はエリザベスとの関係を認めた。それも結婚前から、数年に渡り愛人関係を続けてきた、と。しかも、お前の好きにしてくれ、と兄は私に丸投げだった。――内外に問題は山積みで、どうして私ばかり……。あのときほど、すべてを捨てて国を出ようかと思ったことはない」
自嘲気味に微笑むレイがあまりにも悲しそうで、
「ああ……レイ。ごめんなさい……本当にごめんなさい」
ティナは思わずレイに抱きつき、彼の背中を擦っていた。レイの手も優しくティナの体に触れる。
「羊水を抜き取り、親子鑑定をした。そして、王立科学研究所は兄と胎児に『親子関係はない』という結果を出した。だが、彼女が兄の愛人であったことは事実だ」
レイは可能な限りの金額を用意し、彼女をアメリカの資産家に嫁がせた。
だが、成長するうちにアーロンにはアズル王族男子の特徴が色濃く現れ、彼女はもうひとつの可能性に気づく。
だがそれは、これまでの王室法ではあまり意味がないものだった。
「王室法が改正され、彼女は再びDNA鑑定を要求してきた。エリザベスはアーロンの父親として、違う人間の名前を上げたんだ……」