アジアン・プリンス
シャワーの間も、そしてベッドに戻っても、必死で訴え続けていた。


「本当にそうなのに……。どうしてなの、どうして私」


懸命なティナとは反対に、レイの顔に浮かぶのは柔らかい微笑みだ。

レイは濡れたままのティナの髪を撫でながら、


「ティナ、可愛いティナ、マイ・ダーリン。いい子だ、私を見てご覧」

「レイ、お願いレイ、嫌いにならないで。あなたに疑われたら」

「何を疑うと言うんだい? 君に痛い思いをさせなくて本当に良かった。きっと私たちの相性が最高に良かったせいだろう。それに愛情も……深い愛情で結ばれたからだ。大事な贈り物をありがとう、ティナ」


レイはティナに優しい言葉を繰り返した。

そして最初のときと変わらず愛を交わして……ようやく、ティナは安堵し、ふたりはそのあともゆったりした幸福な時間を過ごしたのである。


< 281 / 293 >

この作品をシェア

pagetop