Bitter Chocolate

いつものコンビニの前についた。

「お昼買ってこうぜ」

「………ぅん。」

コンビニの中は、外の蒸し暑さを全く感じさせない涼しさだった。

私は、迷わずBitter Chocolateとカンコーヒーを手にとりレジに列んだ。

「まいちゃん!おはよ」

声のする方に目線をうつした。

「空くん。おはよ…」

「そういえば昨日大丈夫だった?」

心配そうに言ってきた彼。何の事だろうと首を傾げていると

「達也に連れだされたじゃん」

そういえばそうだった。きっと昨日は、学校中の話題にされていただらう……。達也の噂だって、半日で知れ渡ったくらいだから……。

「大丈夫だよ!」

私は、笑顔で言ったつもりだったが、空くんは、心配そうに顔を覗き込んできた。

「なんか、まい元気ないじゃん……。大丈夫かぁ??」

「そんな事ないよ……。」

「そんなことあるから!いつもうるさいまいとは、全然違うな〜」

意地悪く言う彼。
それは、彼なりの優しさなのだ。

「あんたよりは、全然うるさくないよっ!」

「はぁ?俺は、うるさくない。ただ、みんなより元気なだけだっ」

「ぶはっ!どんな解釈よ」
つい、噴き出してしまった。
私が笑えば、空くんも一緒に笑った。

「次の方どうぞ〜」

いつの間にか私の番になっていた。

私は、お会計をすませ空くんに"またね"と伝えコンビニを出た。

中と外の気温の差があり、クラクラした。

「随分楽しげじゃん。」

「……ッ。」

外には、コンビニの袋を持った達也がいた。

「友達だもん」

「へぇ〜。"友達"には、あんな笑顔見せて、俺には、見せてくれないんだ〜」

妙に友達を強調しながら言ってきた達也。
何に対してそんな怒っているのだろう…

「もう、いい……。勝手にしろ」

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