叶わない恋。






ある日。



『差し入れ持ってきたよー!!!』


元気な叫び声。


久しぶりに聞くな…コイツの声。


『よぉー!仁!!

久しぶりじゃねぇか!!』


練習の途中に現れたのは、


夏希の兄貴こと、仁。


「げっ…兄貴…。

なんで来るのよ??」


夏希はキャッチボールする手を止めて振り向き呟いた。


『お前っ…兄貴に向かってそんなことを…。


ひどいなぁー…。

せっかくみんなのためにハチミツレモン持ってきたのに。』


仁はそう言って俺に紙袋を渡した。


『あっ…桐ちゃんにあいさつするの忘れてた。

お久しぶりです、桐ちゃん。


あれ…?こちらの人は…??』


仁は俺にニコッと微笑むと隣にいる島先生に視線をうつした。






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