叶わない恋。
『僕は島 大、って言います。
夏希の学年の英語を担当してます。
あなたは…夏希のお兄さんですよね??』
島先生は丁寧な言葉遣いで自己紹介。
仁はなぜか、目がキラキラと光っている。
『あー!!大ちゃんだっ!!
夏希からよく聞いてますよ。
不思議な先生だ、って言ってました!!』
そして仁は島先生の手を無理矢理取り、握手。
お前…失礼だな…
島先生は口をあんぐりと開けて驚いている。
「兄貴っ…
この手を離して…??
ごめん、うちの兄貴、ウザイよね??」
夏希はそう言って仁を睨んだ。
『夏希…お前はまた兄貴に向かってそういうことを…
まったく、俺のしつけが悪かったのかな??』
と、言う仁に対して
「兄貴にしつけられた覚えはない。」
ときっぱり言った夏希。
やっぱり…この兄妹はいつ見てもおもしろいな。
島先生や俺を含め、
ソフトボール部の全員が腹を抱えて笑い始めた。