叶わない恋。





『僕は島 大、って言います。

夏希の学年の英語を担当してます。


あなたは…夏希のお兄さんですよね??』


島先生は丁寧な言葉遣いで自己紹介。


仁はなぜか、目がキラキラと光っている。


『あー!!大ちゃんだっ!!

夏希からよく聞いてますよ。


不思議な先生だ、って言ってました!!』


そして仁は島先生の手を無理矢理取り、握手。


お前…失礼だな…


島先生は口をあんぐりと開けて驚いている。


「兄貴っ…
この手を離して…??

ごめん、うちの兄貴、ウザイよね??」

夏希はそう言って仁を睨んだ。


『夏希…お前はまた兄貴に向かってそういうことを…


まったく、俺のしつけが悪かったのかな??』


と、言う仁に対して


「兄貴にしつけられた覚えはない。」


ときっぱり言った夏希。



やっぱり…この兄妹はいつ見てもおもしろいな。



島先生や俺を含め、

ソフトボール部の全員が腹を抱えて笑い始めた。






< 214 / 426 >

この作品をシェア

pagetop