叶わない恋。




『会長。


また、遅刻ですか??』


今朝と同様、眼鏡をクイッとあげる健太。


オーラが怖いですね、まったく。



『かいちょ~。


なんで俺より遅いんですかぁ??』


甘えた声がすると思うとソファには



「た、拓郎?!?」


の姿。


え?


なんで??


なんであたしより拓郎のほうが早いの?!


もしかして拓郎、テレポーテーションでもした?!



『お前、会長のクセにいっつも一番最後だよな。


この遅刻魔が。』


陸はあたしに鋭い視線を送る。



はい、はい。


どーせあたしは遅刻魔ですよ。



だいたいこれがあたしなんです。


陸だってそれくらい知ってるでしょ??





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