美顔 (美人女医と私のカウンセリングの記録)
 その集団は、男女混合の暴走集団でした。そして、この集団の中に、私が密かに憧れ、恋心をいだいていた一つ年上の女性がいたのです。
 ええ、目を閉じれば、今でもすぐに思い浮かびますよ。下品な茶髪に、異常に細い眉、紫色の口紅をつけ、赤い特攻服を着た彼女の姿が。
 この憧れの女性と初めて話した時の事は、忘れることができません。私が、メンバー達の溜まっている場所でバイクを熱心に洗っていると、幸運にも彼女の方から話しかけて来たのです。
 「あんたさー、バイク楽しそうに洗ってっけど、夕方から雨だよ」
 彼女はうれしいそうに、そう言いました。
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