緑の食事風景
同僚は、グラスに残っていた純米吟醸を飲み干し

静かに溜め息をついた。


そして真っ直ぐ私の目を見つめ


「そうだったんすか……



でもやっぱり、見舞いぐらい行くべきですよ。


どんな事情があったって

自分を産んで育ててくれた母親なんだから」


と、言った。


「そう、ですか……」



その後は、会話らしい会話も無く

微妙な空気のまま、私達は店を後にした。
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