Sweet vioret
「澤野さんっ!行きますよぉ!!」

後輩らしき男の声が入口から飛んで来た。


ナイス☆


二人でガッツポーズ。
心の中で。


「わーったよっ!じゃあ、マスター!また来ます!
あ、名刺渡しておきますね。どうぞ宜しく!
咲嶋さんまたいつか!!」


「ありがとうございます〜!」

「はい、また…」




取引先の男が去った後、てっちゃんと二人思わず見つめあってしまった。



「なんだったんだ…?」

「ってかあたしあの人の名前忘れてたんだけど…」

直後、てっちゃんが一人大爆笑。

そして二人で名刺を見て忘れないようにしなきゃね。

と似顔絵を書いて呑み損ねたカルーアを飲み干した。



それが澤野和人との出逢いだった。


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