絶対裏校則
「どう?気分わ」

入って来るなり、嘲笑いながら言う女の声…それは、顔を見るまでもなく涼子だとすぐ分かった。

「涼子…てめぇ…」

今すぐにでもあの憎たらしい顔をぶん殴ってやりたかった。しかし、吊された状態の俺には何もする事が出来ない。

「悔しいでしょ?あたしが憎いでしょ?慶ちゃんが今、何処で何をしているか知りたい?フフッ…それはもう時期分かるわ。楽しみねぇ…慶ちゃんを見た時のあなたの顔を見るのが…」

涼子はそれだけを言い、「ほら、お腹空いたでしょ?これでも食べなさい」と動物の餌入れに入ったドッグフードの様な物を床に放り投げる様に置いた。
そして再び口を開く。

「あら。そのままじゃ食べられないわね。いいわ、そこから下ろしてあげる」

そう言って涼子は縄を切り、俺を下に下ろした…いや、落としたと言っていいだろう…何せ、吊されたところから地面までは少し高さがあった。
そのまま縄を切られた俺は“ドンッ”と激しい音を立て、地面に落ちた。

「っつ…!!」

痛みはあったが、音のわりに痛みは少なく、幸い骨折は免れた。

涼子は怪我が無いか確認するわけもなく、「これで食べれるわね」とそれだけを告げ、ここを出て行った。

そしてこれからが地獄の始まりだった――――
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