正直に好きだと言えなくて…





「「えっ……」」


「驚くよね
でもね、寛人のためなの…」



私と京ちゃんは寛人のお母さんに
呼ばれて病院に行った


そして私たちは言われた


‘‘もう寛人とは他人として接して’’―――


「あの子は辛い記憶があったから
記憶喪失になったんじゃないかって
先生が言ってたの」



‘‘辛い記憶’’―――

それってもしかして…
私とのデートの日のことなんじゃ…



「それなら
あの子に思い出してほしくないの
辛い思いをさせたくないから…」


「「……分かった」」



私も京ちゃんも同じ言葉を
寛人のお母さんに言った



それから私たちは
寛人と会わなくなった―――





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