英国喜劇リトレイス
「よく反応したな! ちゃんと死角から射ったのに」
俺は剣を肩に担ぎ上げ、二階の窓から顔をだす声の主を見上げた。
「死角からって、てめえ殺す気かよ!」
「うん」
「ふっざけんな!! てめえそれでも俺の従者か!!」
「うーん…出来心?」
適当すぎる。
俺はガックリとため息をついた。
するとやつは慌てたように言った。
「冗談だよ。まさか一国の王子様を殺ろうと思わない!」
「さっき殺すつもりでやったって言わなかったか?」
指摘すると、俺の従者はきょとんとした顔を向けた。
「言ったっけ?」
「絶っっ対に言った!!」
「ゴメン」
軽く笑って言いやがる。
ツッコむ気も失せた俺は剣を下ろして家の中に足を向けた。