英国喜劇リトレイス

「フン。言ってられるのも今のうちだ」

ジュダスはスッと右手を上げた。

ヤバイ! あいつ投石機を使うつもりだ!!

気付いた時には遅く投石機は大きく振りかぶり、岩がエルヴィスに向かった。

「ハッ、」

エルヴィス…笑ってる!?

「舐められたもんだな。俺はそんなにやわくねぇ…な!!」

二挺を連続で岩へ撃ち込む。
岩は勢いを失うと共に、大量のヒビが入り、エルヴィスの鼻先1メートルで勢いよく砕け散った。

「スゲー…」

飛んだ石でも傷はつかないエルヴィス。

「妖精の加護か。忌々しい」

ジュダスの顔が初めて、小さく歪んだ。


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