英国喜劇リトレイス
堂々とした傲慢な態度はもう、欠片もない。

「フン。残念だったなオッサン。……もうチェックメイトだ」

俺が言ったと同時に、最後の旗が上がった。

「なんっ……!!?」

キャヴェンドの目と顎が、パックリと開いた。

「俺とバッカスが最初に隊を動かした時点で、勝負は決まってたんだよ!」


上から見ていれば、さぞやよくわかることだろう。
ジュダスの軍は、俺――ひいてはアイルランド人――とレイモンドの軍に全方位を囲まれていたことが。


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