英国喜劇リトレイス
浮く、浮く。
カレンと最期の別れを終えた俺は、明るい方へ足を踏み出した。
すると、体がすっと浮き上がっていった。
落ちたときと同じように、感覚はあんまりない。
上の光はどんどん大きくなって――
俺はまた、寝ていた。
「っ! ディゼル!」
イアンの声がする。
うるさいなぁ
寝てるんだから騒ぐなよ―
「ディゼルー!! 起きてるのはわかってんだぞ!」
「ぐはぁっ!」
よ、よりによって、俺の体にダイブ。
「〜〜、退けよ! まだカレンの余韻が残ってんだから!」
「は?」