Sweet secret
ホームルームが終わり、職員室に戻った俺に数学教師の小谷先生が声をかけた。

「いや、戻ったそうそう悪いんだけどこのプリントの整理を頼むよ。今日はもう何も無いだろう?」

「……はい。」

新任だから頷くしかない。

さっそく、パシりかよ…。

ったく、始業式そうそうに…。

教室に誰か残ってないか?

俺は淡い期待を抱いて教室に行った。


いた。

1人だけ…ホームルームに寝てた奴。

名前は確か、斉藤…絢乃だった気がする。

俺は人の名前、覚えるの苦手だからな。

声かけてみるしかないか。

「おい!えっーと…斉藤だっけ?」

びくっと震え、こっちを向く。

どうやら、名前は間違ってなかったみたいだ。

「ちょっと、付き合ってくれないか?」

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