「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
補佐官が一時間もあれば、ある程度の結果は出るであろうと答えたので、李は、それでは小惑星群の軌道ならびに地球付近への到達日時の解明は、どうなっているのかを問うと、補佐官が

「科学者たちが観測結果を基に、ただいま計算と検討を行なっている最中であります。もう少しの時間で答えが出てきそうなのですが、いつ頃になるのかは、はっきりとは分かりません」

と言うので、李は、とにかく急がせるように指示を出し、午前十時から第七会議室で報告を聞き、検討をするので主要な補佐官と科学者を招集するように伝えると、李は通信本部を後にして連合本部ビルの外に出てみた。

外の空気は心なしか昨日よりは爽やかな気がして気持ちが良かった。

つい背伸びをして空を見上げた。

空は青く広がり、心の中で「美しい色だなぁ」と言った。

ゆっくりと歩きながら、いつの間にか、これまでの自分の人生を思い出していた。

李の父親は紡績会社を経営していて、子供の頃は何の不自由も無く育ったのだが、年を重ねる毎に会社の経営が苦しくなってゆき、最盛期は七、八千人は居た従業員が五千人になり、四千人になり、二千人少々まで減ってしまった。

その頃に李はソウル大学を卒業してアメリカのカリフォルニア大学バークレー校に留学したのだった。そして卒業後、経営の芳しくなかった父親の会社を継ぐのを躊躇い、アメリカに残り仕事をする道を選んだ。

最初は父親からの資金援助もあり、とりあえずはモーテルを買収して経営を始めたのだった。
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