佳き日に
「琥珀、お前野菜切るの下手すぎだし。もっと均等に切れし。」
「い、いいじゃん食べれれば。」
焦ったように琴に反論する琥珀。
野菜を切ったのは琥珀だったのだ。
ちなみに閏は煮込み係。
スープカレーみたくなった原因はほぼ閏なので琴に何か言われても言い返せないな、と思った。
「このカレー協調性ないな。」
さらに琥珀を追いつめるように雪がそう呟く。
うっ、と琥珀は言葉に詰まる。
「カレーに協調性を求めないでください!」
慌てたように、困ったように、それでいて楽しそうに。
普段殺し屋という物騒な仕事に身を置いているからか、柳琥珀の反応がすごく新鮮だった。
コロコロと変わる表情に思った事をすぐ口に出してしまう素直さ。
忘れかけていた、楽しいだとか、悔しいとか、嬉しいとかいう感情。
16歳、等身大のそのままで生きている琥珀を、閏は少しうらやましいと思った。