佳き日に




寝起きなのか少しボーッとした様子の閏が顔を出した。

時計を見ればもう10時過ぎだ。
閏って朝弱かったか?と琴は少し不思議に思った。


「閏、この女すげー運動オンチ。」

琴が琥珀を指さしてそう言えば「なっ!?」と琥珀が怒って琴の手を叩き落とす。

一連の流れを見ていた閏は呆れたようにため息をつく。


「あ。でも琥珀さん10km近く走ってるじゃないですか。すごいですね。」

「えっ、そうですか?」

ランニングマシーンに表示されていた数字を見て閏が褒めれば、琥珀は顔をパッと輝かせた。
琴に散々馬鹿にされたから褒められて嬉しそうだ。


「琴、ちょっとこっち来てください。」

閏が手招きで隣の部屋に行くよう促してきた。

その顔はいつもと変わらず穏やかだったが、琴は直感で閏が怒っていることを感じた。
普段だったらめったに怒らない閏がこの二日間で二回も怒っている。
どれもこれもあの柳琥珀とかいう女が関係することで。

あの女、疫病神かよ、と琴はげんなりした。



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