佳き日に


結局、菘も頭を冷やせば桔梗と鉛丹に無茶な要求をしたことくらいわかるはずだろう。

菘からの作戦変更のメールを待ちながら、窓の外に閏でも琴でも、たまたま通りかかったりしないか見ていることになった。

通る可能性なんてほぼ0に等しいことは分かっている。
逆に、通りかかったとしたらそれは十中八九罠だろう。

桔梗が鉛丹の横に柿をことり、と置いた。


「あ。」


窓の外に目を向けたままだった鉛丹がそう言葉をこぼした。

「何かあったんですか?」

桔梗も窓の外に目を向ける

「・・・え。」


歩いていたのだ、赤い女が。

いや、正しくは赤い女の後継人が、だが。
柳琥珀が、のんびりと桔梗と鉛丹の仮宿近くの住宅街を歩いていた。


「今日はあの赤いドレス着てないんですね。」

「やっぱあれ動きづらいんじゃねーの?」

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