佳き日に
会いに行きたいけど、今はまだ無理だろうな、と琥珀は思った。
日本中のメモリーズから狙われている琥珀と知り合いだと知られたら、何かの折にエナカが危険に晒されてしまうかもしれない。
私は普通に、平和に生きたいだけなのに、と琥珀は思った。
ヴン、と音がして雪がエンジンをかけた。
琥珀は窓の外を見ながら三日前の雪からの話を思い出していた。
「鉛丹と桔梗が今居る場所は大体分かっている。そこから人の多い場所におびき寄せて、迂闊に手を出せない状況にしてから休戦を持ちかける。」
琥珀が学校に行けるようにするためには、鉛丹桔梗と休戦することが絶対条件だ。
今ここで学校を何日も休む羽目になったら留年になってしまうかもしれない琥珀。
なんとしても留年は避けたい。
真面目に雪の説明を聞く琥珀に、閏はなんとも言えないような顔をしていた。