佳き日に
『五月二十二日。
思った以上に情報が集まらない。
理由は、赤い女と会ったメモリーズは一人残らず殺されているからだ。
赤い女はどのような武器を使うのか、どうやって殺すのか、分からないことだらけだ。』
『六月二十九日。
驚いた。
見間違いかと思ったが、見間違いじゃなかった。
赤い女は、茜だった。』
そこまで読んで、はっと琴の息が止まる。
え、あの茜って女の子が、十年経ったら赤い女になったのか。
いや、正確にいえば八年か。
予想もしなかった方向に話が進み、琴は固まってしまった。
雪が言っていた「雨は赤い女と交流があった」とはこのことだったのか。
続きを読んでみる。
『確かに彼女は運動神経がいいという話は聞いていた。
メモリーズにも引けを取らず戦えるだろう。
当たり前だが、彼女は俺を覚えていなかった。
惚けていたときに攻撃されて危なかった。
俺は彼女を殺せない。
だから逃げてきた。』