佳き日に
「こいつ、どーするよ。」
「警察にでも持って帰れば?」
要らねーよ、とせんべいがくぐもった笑い声を発する。
その顔はあまり笑っていなかったが。
それから、ぐいっと倒れている男の頭を持ち上げ顔を確認する。
「見たことねーな。若いし。」
「殺し屋始めたばっかりなんじゃない?」
薄く開いている目には茶色い瞳。
やはり、この倒れている男はメモリーズなのだろう。
「にしてもコイツ、間抜けだな。」
せんべいはニヤッと笑って黄色い歯を見せた。
「赤い女は、目の前にいたのにな。」