佳き日に



「あぁ、なんだ。そのことなら分かってる。あの女はただの駒だ。多分もうすぐメモリーズの奴らに殺されるだろうな。」

「・・・雪先輩ってヒドいですね。変に気を遣った僕がバカみたいじゃないですか。」

「俺が普通の人間と仲よくなるなんてあり得ないからな。」

「最低ですよー先輩。で、あの画像に写っていた女の子はメモリーズをおびき寄せるためのおとりって訳ですか?」

「そうだ。閏の今回のターゲットの鉛丹と桔梗も多分あの女を狙うと思う。」

雪の言葉を聞きながら閏は頭をかかえる。

嫌な予感がする。
今回の仕事は一波乱ありそうだ。

「じゃあ、僕はあの女の子を追いかけていれば鉛丹と桔梗に会えるんですね。」

「可能性は高い。」

その言葉を最後に電話は切れた。

閏はもう一度雪から送られてきた画像を眺める。

茜色の街を歩く黒髪の女の子が写っている。
この子も可哀想に、と閏は思う。
鉛丹と桔梗に狙われては、三日も保たないだろうな。

現実はそうそう優しいもんじゃない。

冷酷で、残任だ。


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