佳き日に






「黄色いピーマンはパプリカだよねー。」

笑いながら萩の様子を窺う。
気付いてないよね?気付かないでくれ、と願いながら。

とても簡単な暗号だ。
暗号と呼べる代物でもない。

ただ、単語の一語目をつなげるだけ。

「こまつな、どーなつ、もも、はし、てぶくろ、きいろいピーマン、にんじん、げた、ろいやるみるくてぃー」


琥珀は必死に考えた。
この、駿足で琥珀以上の体力を持ち、ガラスが刺さっても平然としている少女、萩。



「こ、ど、も、は、て、き、に、げ、ろ」



逃げられるだろうか?

琥珀はゴクリと唾を飲み込む。

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