佳き日に



予想外。
まさかこんな所で赤い女が出てくるとは。

これは遅かれ早かれ、メモリーズがあちこちからここに集まってくるはずはずだ。


俺らはとんでもない場所に来たな。

そうぼんやりと鉛丹は思った。

いつの間にかアップルパイが冷めきっていた。
ポテトも同様に。
冷めたらなんだかまずそうだ。
くたっとしている。

隣を見れば、桔梗が電話していた。

椿と話しているのだろう。
いつものように、毛糸の帽子を触っている。
その様子に、思わず笑みが溢れた。
変わらないな、桔梗は。

桔梗のその癖を見る度、気持ちが落ち着いて、何故か安心する。

生きなきゃな、どんな状況でも。

鉛丹は自分に言い聞かせた。


それから数分もしないうちに椿から交差点で見た女の情報が送られてきた。



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