佳き日に




[4]


女はよく見れば綺麗な顔をしていた。

若いのに、まだ先があったのに、ゴメン、と思いながらエナカはプラスチックでできたマスクを付け外に出る。
住宅街に人の気配はない。

何よりだ、と思いながらエナカは電話をかける。

『おい。今度は何だよ。』

つい先ほども聞いた声。

「せんべい、ごめん。」

『何だよいきなり。』

「さっきいたとこの近くの住宅街でメモリーズ一人殺しちゃった。」

『お手柄じゃねぇか。』

「でも有毒ガス使って殺しちゃったからこの近くの住人避難させて欲しいんだけど。」

『前言撤回だ。応急処置してんのか?』

「一応家の確認できる隙間にはガムテープ貼っておいたけど。」

『お前他人の家で殺したの!?』

「殺せる場所が他になかったんだよ。」

『ちょっと待ってろ。今そっちに何人か送る。』

そこで電話は切れた。



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