佳き日に


今まで何十人の死体を見てきたとは言え、ビルから落とした灰神楽の死体は目も当てられないものだった。

「閏。」

「なんですか?」

「私、今日のご飯は要らない。」

確かに、こんな死体見たら食欲もなくなるだろうな、と閏は思った。

そしてまた椿の言葉を思い出す。


『しばらくミートソースとか食べられなくなるから。』

閏は灰神楽の死体を見ながら苦笑いをした。
まぁ、ミートソースに見えないこともない。

そんなことを閏が考えていたら、たったっ、と足音がこちらに近づいてくるのに気づいた。

音のした方に顔を向ければ、琴が走ってきているのが見えた。


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