佳き日に




[4]




東京から帰ってきたエナカは家に着くとすぐに布団にもぐった。
実際はそんなに長い間離れていたわけではないのに、なんだかこの湿った布団に匂いがとても懐かしく感じられた。
そのままエナカの意識が沈殿していく。

二十一年ぶりに戦闘をした身体はやはり疲れ切っていたのだろう。
その日、エナカは夢も見ずにぐっすり眠った。



ガンガンガンと何かを叩く音がする。

寝起きの重い頭をなんとか持ち上げエナカは動きだす。
時計をみればまだ朝の六時だった。
非常識な。


「おい!エナカいるかー!?」

ガンガンガンと耳障りな音と共にそんな声が聞こえた。
せんべいだ。
めんどくさくなってエナカは寝癖を直すこともせず出迎えにいく。


「なんでお前の家こんなに入りづらいんだよ。てか外観どうにかしろ!これじゃお化け屋敷みたいだろーが。」

「まぁ築四十八年だしね。」

エナカはそう言いながらせんべいの前に水をドンと置く。



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