佳き日に




「いや、古い新しいの問題じゃなくてな、なんで玄関に木材打ち付けてあんだよ。あれじゃ正面から入れないだろ。」

「だって私のところに訪ねてくる人なんて二人しかいないし。」

琥珀と、せんべい。
我ながら友達少ないな、とエナカは少し寂しくなった。


「いやでも家の裏にある植木鉢動かさなきゃ中に入れないとかめんどくさいだろ。てか絶対近所の住人にこの家誰も住んでないって思われてるぞ。」

「好都合だよ。」

せんべいは水をゴクリと飲む。


「で、何で今日は来たの?」

「これを渡そうと思ってな。」

いつになく仰々しくせんべいは机の上にカチャリと音をたててそれを置いた。
瓶。
ガラスの、透明な、小さな瓶だ。
エナカの小指ほどの大きさもない、それくらい小さい瓶。

中は透明な液体で満たされていた。



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