佳き日に
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ピチチチ、と鳥のさえずりが聞こえる。
赤、黄、橙の紅葉がとても綺麗だ。
あーいい天気だな、とぼんやり琥珀は思いながらベンチに座っていた。
公園は閑静としていて、琥珀の見る限り人はいない。
かなり大きい公園で、隣には神社もある。
遊具もたくさん。
物がたくさんある分だけ、人がいない寂しさが浮き彫りになってしまっている気がする。
はーっと一つ、息を吐いた。
鉛丹は用件だけ話すとすぐ帰ってしまった。
勝手なものだと思う。
人の心をこれだけぐちゃぐちゃにかき乱しておいて。
頭の中では、先ほどの鉛丹の話がグルグル回っていた。
鉛丹が琥珀に話したのは、ずっと彼が隠していた秘密の話だった。
ぶっちゃけ、それを知ってしまった琥珀もどうすればいいのか頭を悩ませるような。
「お前何してるんだ?」
落ちてきた言葉に琥珀はバッと顔を上げる。
声をかけた相手も驚いているようだ。