佳き日に



「なんでそんな必死の形相なんだ。シワがすごいぞ。」

「……雪が驚かすから。」

はーっと、先程と同じようにため息をつき眉の間に手を置く。
シワを寄せていると癖になってしまうらしいから気をつけなくては。


「座るぞ。」

「ん。」

なんで雪はいつも断定口調なのだろう。
横暴とか我儘というわけでもないから大したことではないのだが。


「おい、あれ。」

「あー、紅葉?綺麗だよね。」

「あぁ。カニみたいな色だ。」

「……雪が今晩食べたいものなんとなく分かった。」

カニ。
カニなんて回るお寿司でしか食べたことないな、と琥珀は思う。
ヒラヒラと落ちていくカエデを見ながら学校サボっちゃったな、と少しの罪悪感が湧く。
めんどくさいから戻りはしないが。



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