佳き日に
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三回目。
画面の向こうでは森を颯爽と駆けまわる山犬たちの姿が映し出される。
この場面を見たのも三回目。
内容が分かっているのにまた見るなんてアホらしいな、とエナカは思うが見るのをやめはしなかった。
せんべいの手がかりなど三回見ても見つからない。
もしかして手がかりなんかじゃなく、ただなんとなくせんべいはこの話をしただけなんじゃないかと思えてきた。
山犬たちに生きていてほしいと思う気持ちも分かる。
けど、本当に、せんべいがこの映画の話をした理由はそれだけなのか?
一応三回も繰り返し見たので気付いたこともある。
映画で山犬と対立の立場にある人間の村には子供の姿が見られない。
大人だけだ。
この村には未来がないのとを示しているのだろうか。
エナカはインターネットを開く。
エナカが気づかなかったが他の人が気付いてることなどたくさんあるだろう。
もしかしたらそれがせんべいが残した手がかりであるかもしれない。