男子校のお姫様

そんな中でも、あたしは1人で修業に打ち込んだ。

幼いながら、陰陽道に関する本を読み漁り独学で強くなっていた。

教えてもらえる人がいない分必死で勉強した。

少しでも期待してもらえるように…。

そんなあたしに気づいてくれた人は誰1人といなかった。

薄々気づいていた父や母、祖父はあまりの忙しさに声をかける暇がなかったみたいだった。

あたしは寝る間をも割いて、勉強した。

そんなある日、ついにあたしは倒れてしまった。

その時あたしは思ったんだ・・・。

あぁ…このまま誰にも気づかれないで死んで行くのかな・・・って。

普通ならそんな状況で恐怖心を抱くんだろうけど、あたしは違った。

こんなに頑張ってもだれにも気づいてもらえないで、あたしの努力は無駄だったんだな・・・。別に死ぬなら死ぬでいいや・・・。

そんな風に思ってたんだ。

たった4歳の子供が考えることではないけれど、そう感じてしまうほどにあたしは寂しかったんだ・・・。

薄れゆく意識の中、あたしの頬を一筋の涙が伝った。


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