イジワル社長と秘密の結婚
ロビーでうろうろしながら、どうすればいいか途方に暮れる。蒼真さんのお父さんに連絡をしてみようか、でも心配をかけるだけかもしれないし……。

半泣き状態で、ロビーを歩き回っていたとき、

「咲希?」

蒼真さんの声が聞こえ、驚いて振り向いた。

「そ、蒼真さん⁉︎ なんで?」

「それは、こっちのセリフだよ。なにをウロウロしてたんだ? もしかして、迎えにきてくれた……?」

怪訝な顔をする蒼真さんは、半年前と変わっていない。元気そうで、顔色もいい。

やっと会えた……。その安心感からか、涙がとめどなく溢れてきた。

「咲希? どうした?」

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