海☆恋




「どこに行くんだ?立花……………。」



後ろを向かなくても分かってしまう相手…………………とても、大切な人

でも、今は止めて欲しくなったよ。



「離して、楓…………………今は、お願い。」



すると先ほどよりも強く握られた。



「未来の所に行くんだろう?だったらみんなで行った方が。」



私は、その言葉に何度も首を横に振った。



後ろにいる楓の顔は見えない。でも、これだけは引き下がりたくない。



「今は、私一人の方が良いと思うの………………だから…………。」



その時目の前に先生が立ちはだかった。

まるで、私を行かせないようにするように。



その顔は、とても、切なそうだった。



「それでも、俺は未来と話したい!頼むから教えて欲しい。」



先生は、とても未来を大切に思っている

でも、今は………………。


「説得してみます………………だからそれまで待って下さい

先生だって、また逃げられたくは無いでしょう?」



先生は、少し目を見開くと直ぐに頷いてくれた。



「あぁ……………頼む!本当は、生徒にこんな事を頼むのは駄目だと終わっているんだがなぁ。」



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