海☆恋




すると、ファッと身体が浮いた。



暖かい……………。



見ると私は、お姉ちゃんにおんぶされていた。



「未来ちゃん!貴女なら絶対大丈夫よ!」



そう言ってお姉ちゃんは、私をおんぶしたまま車に走った。



この海から病院までは、目と鼻の先にある。



「お………ねぇ…ハァハァ………ちゃん…ハァ………ご………めん………な………ハァ…ハァ………さい………。」



私は、服を握り締めながら必死に言葉を繋いだ。



「もう良いから!お姉ちゃん怒ってないから!だから、もう喋ったら駄目!」



お姉ちゃんは、微かに後ろを振り向きながら叫んだ。


私は、その言葉にただ頷く事しか出来なかった。



段々目の前が真っ白になって意識が遠退く。



まだ心臓の痛みは続く。



このまま眠ってしまえばこの痛みから解放される?



私は、ただ眠いだけよね?きっと疲れてしまったんだわ。



そう思い瞼を閉めようとする。



「駄目!立花!気をしっかり持って眠らないで!」



お姉ちゃんの声が聞こえる。



ごめんね、お姉ちゃん……………だけど凄く眠いの……………。



< 40 / 77 >

この作品をシェア

pagetop