海☆恋




その声が受話器から聞こえていたのだろう。



私がハッとしてガラスの方を見ると二人は、目を見開き固まってしまった。



どうしょう……………きっと聞かれてしまったよね。


私は、視線を天井に向けた。



「立花………………どうして、海を見たいの?」



お姉ちゃんの震える声が聞こえる。



私は、知らず知らずのうちにゴクリと唾を飲み込んだ。



深呼吸して、目を閉じる。


「私、海になりたいの……………みんなを包み込む海に……………海ならみんなをずっと見ていられる
辛いことがあったらそれを聞いてあげることが出来るでしょう?
何があったか分かるもの………………
それに私も海には凄く救われた
優しい包んでくれるの
だから、私は、海になりたい……………みんなを包み込む優しい海に…………………だから、海に行きたいのあの純粋な真っ青な海に行きたいの…………………あの波の音色を聞きたいの……………
何だか大切な誰かが私を癒してくれるみたいに思うの………………。」



「立花……………。」



何だか視線を感じる……………きっと二人が私を見ているからだろうなぁ。



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