愛は満ちる月のように
枕代わりのクッションにバスタオルを巻きながら悠は答える。

真はデスクの椅子に座りながら、


「相変わらず細かいよなぁ」

「お前が大雑把過ぎるんだよ。しかも、適当な計画で小太郎くんをこんな遠くまで連れてきて……。いくらご両親の許可をもらったとはいえ、彼はまだ中学生で……」


悠が説教を続けようとしたとき、真がパンと手を叩いた。


「ストップ! よくわかったからさ……とりあえず、今夜は寝かせてくれよ。これでも朝五時起きでバイク整備して、七時には家を出たんだ。勘弁して」


大あくびをする真にこれ以上は言えない。

悠も諦め、


「わかった。俺は向かいの部屋で寝るから、何かあったら起こせ」


そういい残してドアを閉めようとした。


「あ……早速一個頼みがある」

「なんだ?」

「美月ちゃんちにはO市に入ったときに電話したんだけど、うちには入れてないから連絡しといてくれよ」


一瞬で悠の顔色が変わった。


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