冷姫Ⅰ
「みんなには?」
「ちゃんと内緒できた。それより霧!なんで雪いるって教えねーんだよ!てか、いつから雪の男になったんだよ!」
「お前こそいつから雪の男になったんだよ」
霧の冷静なツッコミが入る。
「二人は知り合いなの?」
「「幼馴染」」
ハモってるし。
「待って待ってウェイトウェイト!霧も雪ちゃんも、この男誰?」
泪は相変わらずうるさいなあ。
「知り合いなの。転校生らしいね」
簡潔に答えて、二人を屋上に連れて行く。
「どういうことかちゃんと説明して『白(はく)』」
「わかったよ。一年前に雪が消えてから百季の活動を休止して雪を探してた。そして五日前、繁華街で雪を見つけて追いかけた。雪は逃げ切ったつもりだろうけど、家まであとつけた。
で、次の朝制服で出てきたのを見て、この学校に通ってるってことがわかったから転校してきた」
「霧とはいつから?」
「俺、眞田組の道場に通ってたからそん時から。5歳くらいか?」