冷姫Ⅰ


そこからはほとんど記憶がない。





白が救急車を呼んでいて、私は気が付いたら遺体安置室にいた。






「陽!陽!」





ただ涙があふれて止まらない。




「陽・・・嘘でしょ?ねぇ!陽!返事してよ!」




いつの間に来たんだろうか。





後ろには両親が来ていた。






「お父さん・・・お母さん・・・」






わかってた。わかってたけど、実際に言われるのはとても悲しかった。






「陽が死んだのはあんたのせいよ。あんたが・・・あんたが変なチームに入ってたせいで陽は死んだのよ!なんで・・・なんであんたじゃなくて陽が死ななきゃならないの!!」





「母さん。やめるんだ」






泣き叫ぶお母さんをお父さんは止めたけど、その目は「お前が死ねばよかった」と訴えていた。

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