黒いチューリップ

コトバ

放課後。

美月は、途中まで優香と澪と帰ることにした。

「ねっアイス食べよ!」

澪の誘いに乗って、3人でアイス屋さんに向かった。

すると…

「あれ。あの人達、うちらのクラスメートじゃない?」

優香が指をさした先に、5人くらいの男子の集団が。

確かに、あの自称イケメン君もいる。

「これ、なんかの縁じゃん!話しかけてみよーよっ」
「えー。」

美月も澪もあまり乗り気ではなかったが、優香の押しに負けて話しかけてみることにした。

「あーお前ら同クラだったな、確か!」
「良かった。やっと女子と話せたー。」

男子達は快く美月達を受け入れてくれて、みんなでアイスを食べることにした。

「あ、小倉のうまそ!1口だけちょーだい」

男子に言われて、美月は戸惑いながらもアイスを差し出した。

「うめー。さんきゅ」

「うわっお前らいきなり関節キスかよ!」

隣にいた男子が、美月達を見て目を見開いた。

「ちょっと美月!あんた意外と大胆だねっ」

優香もキャーキャー言いながら騒いだ。

関節キスって、そんな驚くほどの事なの?

美月は何も言わずにアイスを食べた。

「関節キスとか別に気にするほどでもねーよな?」

言われて私は頷いた。あくまで冷静な顔で。

「へー。やっぱ中学とは違うなー。」
「前まで中学だったくせに何言ってんだよ!」

ワハハハッ

男子内で笑いがおこった。

私も、実はビックリしてるんだ。

中学の時は女子と遊びまくってて、学校でもずっと女子だけで固まってたりしてて。

だから、男子とはほぼ関わりがない日々だった。

もちろん彼氏なんてまだできたことないし、3年間、好きな人すらいなかった。

でも、今こうして普通に男子と喋ってるのが、なんだかおかしく思えてくる。

「三浦君、格好いいよねー。」

澪が自称イケメン君の三浦旭にいきなりアピールしている。

優香は2つ目のアイスを買ってきて、1人の男子と楽しそうに喋っている。

すごいな、みんな。

私はやっぱり、遅れてるのかな…とつくづく思えてくる。

ケータイのアドレス帳には男子の名前なんて1つもないし。

男子と遊んだこともないし。

そのてん、優香と澪は男慣れしてる雰囲気がでている。

私はこの時、こんな自分を変えたいと強く決意した。

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