メルラバ
こんなにも色んなものを手にしていても、どこか虚しい。

書けど書けど、リアリティのないそれは上っ面を撫でるばかりで、少しも私の心に響かない。


嘘、嘘、嘘。

小説は作り話だから嘘でかまわない。

だけど、カリスマ恋愛作家という名ばかりが一人歩きして、現実の私を痛めつける。

違う。

それは私じゃない。

そう叫びたくて叫べない。

手にしているものを全て投げ捨てられるほど強くもない。

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